微生物検査用「BD BBL™ EHECクリアーHTシステム寒天培地」を発売

Publish date: 5月 10, 2023

微生物検査用「BD BBL™ EHECクリアーHTシステム寒天培地」新発売 

~集団食中毒の原因となるEHECが疑われる菌の分離を確かなものに~


日本BD(本社:東京都港区、代表取締役社長:阿知波達雄)は、集団食中毒の原因ともなっている腸管出血性大腸菌 (Enterohemorrhagic Escherichia coli; EHEC:イーヘック)が疑われる菌を迅速かつより確実に分離培養し、EHECの見逃し防止に寄与する微生物検査培地 BD BBL™ EHECクリアーHTシステム寒天培地(以下、EHECクリアーHTシステム寒天培地)を5月16日に発売いたします。

腸管出血性大腸菌O157に代表されるベロ毒素や志賀毒素を産生するEHECによる感染症は、腹痛や下痢、嘔吐、血便、発熱を伴い、脳症および溶血性尿毒症症候群などの重篤合併症を併発し、死に至ることもある疾患です*1。感染症法上、三類感染症に定められ、診断した医師はただちに保健所に届け出を行うことが義務付けられています*2。

EHECの分離は、一般的に培養法で行われています。分離培養後、体外診断用医薬品を用いてベロ毒素を産生しているかどうかを判定します*3。近年、現行の培養法では分離が難しい亜テルル酸感受性EHECが存在することが分かってきました*4。こうした分離培養が困難なEHECが見逃されることにより、感染症の重篤化や、感染拡大が引き起こされる可能性があります。そのため、より分離率の高い選択分離培地を用いた原因菌の早期特定・早期診断により、少しでも早く適切な治療を開始することが求められます。

■腸管出血性大腸菌EHECが疑われる菌をより高い分離率で分離培養

EHECクリアーHTシステム寒天培地は、1枚のシャーレに2種類の培地が組み合わされている培地です。これらの組み合わせにより、EHECの疑いのある株を分離すると同時に、これまで分離が難しく見落とされていた亜テルル酸感受性EHECの可能性のある株も含めて、一度の培養検査で分離することを可能にしました。

■検査時間の短縮により、早期診断、早期治療開始をサポート

2種類の培地からなるEHECクリアーHTシステム寒天培地では、血清型ならびに亜テルル酸感受性に関係なく、EHECが疑われる株を選択分離することが可能となります。取りこぼしによる再分離の手間が省けるため、従来の培養検査方法使用時に比べて検査結果の報告時間を約1~1.5日間短縮します。

日本BDは、本システムにより検査時間を短縮し、検査の効率化に寄与すると共に、医療現場での早期診断、早期治療開始に貢献してまいります。

■用語集

  • 分離/分離培養:人工的な環境下において、複数種の微生物が混在した試料や臨床検体から特定の微生物を発育させ取り分けること
  • 選択分離培地:複数種の微生物が混在した試料や臨床検体から、特定の微生物を発育させ取り分ける目的で調製された培地

*1 IASR 43(5), 2022【特集】腸管出血性大腸菌感染症 2022年3月現在 (niid.go.jp)

*2 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=410AC0000000114

*3 腸管出血性大腸菌感染症(enterohemorrhagic Escherichia coli)|症状からアプローチするインバウンド感染症への対応 - 感染症クイック・リファレンス|日本感染症学会 (kansensho.or.jp)

*4 1-1 総説(R2年報) (pref.ibaraki.jp).  https://www.niid.go.jp/niid/ja/ehec-m/ehec-iasrd/10245-iasrt493d01.html

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